私はオーストラリアではゲッコー(Gecko)というあだ名で呼ばれる横浜在住のサーファーです。 今回Webサイトを立ち上げるのでストレンジャーサーフボードの説明を簡単に日本語でやってくれ、との依頼を受けたので、トライしてみようと思います。
1996年8月にオーストラリアにワーキングホリデーに出発した私は、700ドルで購入したキングスウッドワゴン(71年型)を操り、オーストラリア各地をサーフトリップしていました。 波、土地、友達が気に入ればその場所に何週間も腰を据えてキャンプをするという、30歳を過ぎ結婚し子供もいる今から思うと随分と贅沢な生活でありました。 マーク ストレンジャーとその家族に出会ったのは南オーストラリアのカクタスという場所でした (砂漠の真中にあるハードコアなスポットですね)。 彼はタスマニア大学から“サーフィン人間学”の論文を作成する名目で大学から資金を得て、家族5人でオーストラリア1周の旅の途中でありました。 行く先々でその土地のローカルレジェンドや元プロサーファー等、サーフィンに関わる色々な人々へのインタービューや、無数にあるオーストラリア中のポイントで波乗りをし、土地の文化に触れながら論文のリサーチをおこなっていました。 まぁ、恐らく真の目的は波乗りしながら家族で旅行することだったのだろうと推測しますが…
私はマーク家族とすっかり仲良くなり、いろいろと話を聞くとマークの弟のニックが有名なシェ-パーであることが分かりました。 ニックはトッド ホーランド、ブラッド ガーラック等をスポンサーし育て上げたカリフォルニアの有名シェ-パーのゲーリー リンデンにその実力を認められ、オーストラリア国内でのリンデンレーベルのシェイプを任されていた時期もあった程です。 その他にも90年代の話になりますが、ビクトリア州のJrチャンピオンであったDustin Hollickや99年世界アマチュア女子チャンピオンのDara Penfoldなどの実力派サーファーをサポートしていて (彼女は有名になってから他のメジャーレーベルに移籍)、シェイプ歴は30年近くになります。 又、トム カレンにReverse
Veeのシェイプした事で一躍有名になった(もう昔の話ですが…)モーリス コールと80年代にフランスに渡りシェイプ工場を立ち上げ、暫く一緒にシェイプの仕事をしていたこともあります。 (その後ニックはタスマニアに戻り自分のショップと工場を始め、モーリス コールはトム カレンと知り合い時の人となった。) そんなこんなで私もタスマニアを訪れ、1ヶ月程マーク一家にお世話になりながら、毎日波乗りやニックの工場で遊んだりして過ごした時期がありました。 ニックに数本削ってもらったのですが、思ったとおりの板を削ってくれて大変感動したことを思い出します。
私も帰国してから既に10年近く経ちますが、ストレンジャー一家とはいまだに交流があり、毎回板もニックに削って貰っています。最初の内はなかなか日本の波にしっくりこないことも有りましたが、私や友人達からのリクエスト又は写真やビデオで説明するうちに、すっかり日本の波用の板が削り出されてくるようになりました。 (他にも以前タスマニアに仕事で駐在していたK氏やその仲間達にも削っているので、年間20本近く日本向けに削っていると思います。) もっとも重要なのは、ストレンジャーサーフボードは全てニックによるハンドシェイプという点だと思います。 マシンは一切使わず、ラミネート、サンディング等の全ての工程をニックが手がけています。 工場は3~4人で回しているものの、彼の性格からシェイプだけというのは好きではないらしい。 もちろん途中工程で多少他人の手が入る場合もありますが。 因みに私の場合は細かいことは言わず、こんな板がいいなぁという感じで後はいつもお任せで削ってもらう感じです。 板には流行もありますから、お任せしたほうがいつも新鮮な驚きがありますし、10年近くの付き合いですからそこはもう信頼関係という感じで。 これ以上ニックの腕前に関しては説明いらないと思います。 是非1度試してみてください。 きっと長いお付き合いが始まると思います。
最後に、Webサイトの運営は兄のマークが行っています。 英語ではなかなかオーダーしづらい、又は信用できるか心配だ、等思われる方がいらっしゃると思いますし、マークもそれを一番懸念しています。 少しでも皆さんの心配を払拭できるよう、私もできる限りお手伝いをさせていただこうと思っています。 ご相談等あれば、私にご一報戴ければ幸甚です。
塩谷 茂樹(えんや しげき) e-mail: enhima@yahoo.co.jp

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